ポスター『一家に1枚 海~その多様な世界~』について JAMSTEC 海洋研究開発機構 広報課 課長代理 市原盛雄さんのインタビュー⑦「海域における地震・火山活動」
今週も、ポスター「一家に1枚 海~その多様な世界~」について
JAMSTEC 海洋研究開発機構 広報課課長代理 市原盛雄さんのインタビューをお届けしています。
今日は、5つに分かれている「海」の多様性のテーマから
「海域における地震・火山活動」について伺いました。
市原さん: 四つ目のテーマ「海域における地震火山活動」
我が国は地球を覆っている複数のプレートの境界に位置しています。昔から地震火山大国と言われます。
JAMSTECでも海域の地震や海底の火山の実態を解明し、それを基に将来を予測するということは、私達の暮らしを守る防災あるいは減災という側面で非常に大事な活動です。
この「一家に1枚」も、海の地震火山活動をより深く学べるようになっています。
海底火山が噴火して、大陸が出来ましたという、ちょっと私達の想像を超える自然の現象が実際に西之島で起きています。JAMSTECではそのような活動の科学的な研究というものを進めています。
また、私達の暮らしに繋がるというところでは、これから、高い確率で起きると言われている東南海・南海地震の震源域と思われるエリアに、海底の地震ケーブルネットワークシステムを敷設し、例えば、微小な地殻の変動をリアルタイムに検知して、いざという時に新幹線などのインフラを止めたりできるよう、私達の生活に役立てる取り組みも行っています。
東日本大震災の直後には、三陸沖で調査を行い、海底の長いエリアに渡って亀裂が入っていることを有人潜水船「しんかい6500」によって確認するなど、震災後の研究開発も様々行いました。
地球環境、それから地震火山活動のメカニズム、海洋生物、生態系がどうなっているか、あるいは鉱物資源がどうなっているか、こういった海の様々な側面を詳しく調べていくということが必要ですが、これにはもちろん、レベルの高い技術開発が必要になってきます。
JAMSTECでは日々研究を進め、それが私達の生活を豊かにしてくれることに繋がるように努めています。
黒潮と親潮の大蛇行について。
水産業をなりわいとされている方々にどのような影響があるのか、あとは、水産資源自体にどういう影響があるのか。
JAMSTEC横浜研究所にある「地球シミュレータ」というスーパーコンピューターを使って、黒潮が今後どのような流れになっていくのか、黒潮大蛇行が今後どうなっていくのか、中長期的な予測を計算している研究者もいます。
そこで桜エビなと゜黒潮に大きな影響を受ける水産業、漁業者に対して適切な情報を提供するというのも、私達の研究機関の一つの役割になっています。
「潜在する海洋資源」というところにも繋がりますが、95%が深海のため、まだまだ大部分は解明されていません。今後、調査や研究が進めば、今まで出会ったことのない生物や、あるいは資源を産業に活かしていくようなことが可能になるかもしれないです。
よく深海へのアクセス能力と言いますが、まずはそこに到達できなければ、深い海の中が見えないですし、情報自体まず得られないので、そこにアクセスする能力を持つことは、まず大事です。
JAMSTECは、深海にアクセスできる様々な機器を有しているので、そこは非常に大きなアドバンテージだろうなと思います。
🌊文部科学省 「一家に1枚 海~その多様な世界 」
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/mext_00063.html
🌊文部科学省 「一家に1枚」 ポスターがダウンロードできます。
https://www.mext.go.jp/stw/series.html
🌊JAMSTEC 特設サイト 「一家に1枚 海~その多様な世界 」
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/poster-ocean/
🌊JAMSTEC 海洋研究開発機構 https://www.jamstec.go.jp/j/
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