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国立科学博物館 特別展「海 —生命のみなもと—」⑦

特別展「海」メインビジュアル

今週も、7月15日土曜日から国立科学博物館で開催される「特別展「海  —生命のみなもと—」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life」に注目!
お話を伺うのは、国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ 研究主幹 田島木綿子先生です。

国立科学博物館 田島木綿子さん_小田原で発見されたマッコウクジラ調査

今回「特別展「海  —生命のみなもと—」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life」は、生命のみなもととも呼ばれる「海」の誕生から現在について、多様な生物や人と海の関わりを紹介し、さらには海との未来を考えていく特別展で、4つの章に分けて展示されています。
今日は第4章で紹介されている「クジラの胃の内容物」について、田島先生に詳しく伺いました。

《クジラの胃から発見された海洋プラスチック》 写真:国立科学博物館


「公式サイトでも掲載されているクジラの胃の内容物は、山形県で発見されたオウギハクジラの物。今回は顕著なものを展示していますが、確実にクジラの胃の中からは海洋プラスチックが見つかる現状を我々は目の当たりしていますので、皆さんに実物と共にお伝えできればなと思っています。鯨種によりますが、割合としてはイカを主食とする鯨類に非常にプラスチックの誤飲が多く、イカ食の種類だけで考えると90%近くが誤飲しています。ただ、魚食性のものについてはまだ調査中なんですけれども、比較的イカ食に比べるとパーセンテージが低いので、おそらく何かしらの選択を鯨類たちがしているんであろうっていうのを実証的に調査・研究しています。おそらく彼らはエコロケーション、いわゆる超音波を使って餌を探しますので、おそらくイカと間違えているのではないかと。で、魚食は何故少ないかというと、いわゆる魚って言うのは体の中が充実性が高いので、エコロケーションを当てた時に、たぶんプラスチックと魚っていうのは識別できているみたいなんですよ。ただ、イカっていうのは、どうしてもプラスチックと間違えやすいみたいで、その傾向がその差に出ているのではないかっていうのを、今我々は確実に結果を出したいなっと思っています。」

日本一クジラを解剖してきた田島木綿子先生。今回の特別展では最新の研究結果もご紹介されています。

特別展「海 ―生命のみなもと―」
Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life
会期 2023年7月15日(土)~10月9日(月・祝)
会場 国立科学博物館(東京・上野公園)
入場については、現在、オンラインによる日時指定予約ができます。詳しくは特別展「海  ―生命のみなもと―」の公式サイトをご覧ください。

特別展「海 ―生命のみなもと―」 Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life
Twitter 特別展「海 ー生命のみなもとー」@umiten2023
国立科学博物館
私の研究-国立科学博物館の研究者紹介 
動物研究部 脊椎動物研究グループ 田島木綿子 研究員

国立研究開発法人海洋研究開発機構 JAMSTEC
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