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国立科学博物館 特別展「海 —生命のみなもと—」④

特別展「海」メインビジュアル

今週は、来週土曜日7月15日から国立科学博物館で開催される「特別展「海 —生命のみなもと—」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life」に注目!
お話を伺うのは、全国でクジラなどのストランディング調査を手掛けている 国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ 研究主幹 田島木綿子先生です。

国立科学博物館 田島木綿子さん_小田原で発見されたマッコウクジラ調査

今回の 特別展「海 —生命のみなもと—」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life では、海の誕生から現在について多様な生物や人と海の関わりを紹介し、さらには海との未来を考えていく特別展で、4つの章に分けて展示されています。その中から今回は第2章で、田島先生が担当された最新の海の概念、クジラの“潜る・浮かぶ”の垂直運動「ホエールポンプ」が海にもたらす効果について。

《ナガスクジラ上半身標本(展示イメージ)》

今回第2章の会場には、高さ約4.7mもの巨大なナガスクジラの上半身標本と骨格が展示されています。そのナガスクジラは、2012年に東京湾で見つかった約18mの個体。当時お台場の埋め立て地で調査された田島先生によると、先生たちが到着した時にはすでに腐敗が進んでいて病気などを調べる事が出来なかったそうですが、頭にはタンカーなどにぶつかった痕があったとか。今年2023年の1月に大阪湾でもマッコウクジラが突然現れて話題になりましたが、湾の中心部でクジラなどがストランディングするのはとても珍しい事で、たぶん外洋などで大型船の舳先に引っかかったまま曳航されてきたのではないかとのお話でした。大型船は荷物を積んでいる時には舳先は沈んでいますが、荷物を降ろした後、舳先が浮き上がり、その時に、クジラなどが引っかかっている事に気が付くという事が、世界的にも増えているんだそうです。
第2章の終わりには、調査し終えたばかりの今年2023年の1月に大阪湾で亡くなってしまったマッコウクジラの歯や胃の内容物が展示されるとのこと。第2章だけでも、1日かけてじっくり見たい内容です!

《調査のために船に下ろされたマッコウクジラ》 写真:国立科学博物館

今回の 「特別展「海 —生命のみなもと—」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life 」。7月15日土曜日から開幕しますが、入場には、日時指定予約がおすすめです。詳しくは、特別展の公式サイトをご覧ください。

特別展「海 —生命のみなもと—」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life
会期 2023年7月15日(土)~10月9日(月・祝)
会場 国立科学博物館(東京・上野公園)

特別展「海」ロゴ

特別展「海 ―生命のみなもと―」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life
Twitter 特別展「海 ー生命のみなもとー」 @umiten2023
国立科学博物館
私の研究-国立科学博物館の研究者紹介 
動物研究部 脊椎動物研究グループ 田島木綿子 研究員