イベントレポート

2025年10月24日(金)開催!海ごみ出張授業@ 横浜市立金沢小学校。

今年度の海ごみ出張授業は、海洋環境保全市民団体「海をつくる会」事務局長 坂本さんを講師に迎え、学校へ出張して海のマイクロプラスチックや、ブルーカーボンとして注目されている海草アマモについて、さらに、アマモ発芽装置を発明した学生発明家の嘉手納杏果さんとの活動もご紹介しています。環境問題の最前線で活躍する講師とともに、海の生き物や海洋ごみ問題に触れ、自分たちにできるアクションを学ぶプログラムです。

今回授業でお邪魔したのは、横浜市立金沢小学校。

横浜市立金沢小学校

1873年に知足学舎として開校し、今年で創立152年という歴史ある小学校。
さらに、金沢地先埋立事業の一環として整備され横浜で唯一の海水浴場をもつ海の公園まで、直線距離にして500mほどのところにあるだけに、学校では、地元の海苔やアナゴを使った給食も提供されるなど、海を身近に感じる環境づくりがされています。

昭和25年ころ。埋め立てられる前の「海の公園」の様子。

今回坂本さんの授業を受けてくれたのは、4年2組のみんな。海が大好きという事で、教室に掲げられたポスターも海がモチーフになっていました。


4年2組では、担任の平田優奈先生が「海をつくる会」による野島海岸(乙舳海岸)での海岸清掃に参加してくれた事をきっかけに、みんなで実際に海岸に行って色々と観察してきてくれました。ごみ拾いをする中で見つけたたくさんの茶色いガラスのかけら。そのガラスを使って多くの方に野島海岸のゴミの実態を知って欲しいと、次なるアクションに向けての授業でした。


事前に子どもたちから質問がたくさん寄せられていただけに、「海をつくる会」の坂本さんが来るのを楽しみに待っていた子どもたちは、坂本さんが教室に入るや否や、「サインをください! 」と集まってきてくれました。
今回の授業は3時間目の45分間で実施。まずは野島海岸のごみの現状について、坂本さんが解説。どんなゴミが多いのか、なぜたくさんのゴミがたどり着くのか、そのごみによって何が起こっているのかなど、子どもたちからの質問に答えながら、授業は進んでいきます。

学校からほど近い海の公園の砂浜と野島海岸の砂浜は、全く違います。

海の公園。約1キロの人工砂浜は、横浜市内唯一の海水浴場にもなります。
海の公園の砂浜は、千葉県から運ばれた砂で作れ、ウィンドサーフィンを楽しむ方も。ごみも少なく、鮮やかな緑色の海藻も打ちあがっていました。


野島海岸(乙舳海岸)は、50mほどの横浜市内に残された唯一の自然海岸です。潮が引くと遠浅になる海岸には「海をつくる会」が地元の人たちからの要請で移植した海草アマモが生え、生き物たちの住処にもなっています。さらに海底に生えているアマモが波の勢いを弱めてくれるため、とても穏やかな海岸でもあります。しかし、海岸の周辺は複雑に整備された護岸となっているため、一日に4回潮の満ち引きがある特別な環境に。そのため海洋ごみが次から次へと押し寄せてきます。「海をつくる会」では月に一度、定例清掃をしていますが、それでも海岸のゴミはなかなか減りません。一方で人工の砂浜が整備されている海の公園は、野島海岸と比べてもごみがとても少ないのです。それは、海岸を管理する人がいるからだと説明を聞いて、みんな納得していました。

野島海岸。横浜市内に唯一残る自然海岸。

子どもたちからは、野島海岸で拾った茶色いガラスの破片を使ってシーグラスを作りたいという要望もあり、坂本さんから、ペットボトル、砂、水を使って、どのようにしたら角が丸いシーグラスになるのかを教えてもらいました。坂本さんからは、「毎日ペットボトルを振ること!」と言われ、みんなのやる気がみなぎっていくのが感じられました。

4年2組のみんなは、坂本さんのお話を聞きながら、たくさんメモを取り、最後の質問タイムも次々と手が上がり、子どもたちの真剣なまなざしがとても印象的でした。

みんな、坂本さんの授業を聞いてメモをたくさん取っていました。

今回の「海をつくる会」の坂本さんのお話を聞いて、子どもたちは実際にシーグラスづくりに取り掛かり、さらに、そのガラスを使っての作品づくり、さらに海の環境についてのポスターを作る予定とのこと。
どんなものが完成するのか、今からとても楽しみです。

横浜市立金沢小学校 4年2組のみんな、そして担任の平田先生、保科校長先生、ありがとうございました!


今年度講師を務めていただいている「海をつくる会」では、月に一度「野島公園で定点調査&海浜清掃」を実施しています。私たちの暮らしと海についても学べる活動となっています。開催日程、参加方法など詳しくは、「海をつくる会」のHPをご覧ください。

学生発明家 嘉手納杏果さんの発明について詳しくは「公益社団法人発明協会」のHPをご覧ください
アマモの発芽・育成装置及び方法 
 解説動画
小魚を巻き込まないマイクロプラスチック回収ボート
 解説動画

FMヨコハマでは、今年度 海ごみ出張授業を受講していただける学校・団体を大募集しています。
対象は、小学校高学年~中学生(総合学習、環境教育、探究学習/SDGsなどに対応)
所要時間:45〜90分(ご要望に応じて調整可能)
実施形態:教室内での講話・発表・質疑応答 / 海岸での簡単なワークショップ等
費用 は 無料です! 
お問い合わせ
横浜エフエム放送株式会社  事業部 兼SDGs推進担当 石原文男
E-mail: ishihara@fmyokohama.co.jp