ポスター『一家に1枚 海~その多様な世界~』について JAMSTEC 海洋研究開発機構 広報課 課長代理 市原盛雄さんのインタビュー③「海の基本情報」
今週は、ポスター「一家に1枚 海~その多様な世界~」について
JAMSTEC 海洋研究開発機構 広報課 課長代理 市原盛雄さんのインタビューをお届けしています。
ご紹介しているポスターは、文部科学省が2005年から
科学技術週間に合わせて制作している学習資料「一家に1枚」です。
17枚目となる令和3年度は「海」について総合的に学べるポスターが作成されました。
今日は、海について、基本情報を伺いました。
市原さん:
改めて海の基本的な情報を少しご紹介したいと思います。
海は生物が生きていく上で不可欠な水を大量に蓄えていて、地球全体の表面積では、約70%を占めています。
また、体積では水深200mよりも深い、いわゆる深海と言われる部分が、体積の割合でいうと95%にもなると
いわれます。
言い換えると、世界の海というのは、ほとんどが深海だということです。
さらに世界の海の最深部は、1万1000m近くにも達し、相当深いところが、地球上に存在するということがわかります。
ただ当然、地上の山谷のように起伏がありますので、平均の水深にならすと、大体3800mぐらいになります。
富士山が3776mですので、ちょうどこの富士山の高さと同じぐらいになります。
富士山がすっぽり逆さまに収まるくらいの深さが、海の平均水深ということになります。
こういった事は、理科、特に高校では地学で学習するかもしれません。
そして、排他的経済水域。
子どもたちにとってはちょっと難しい単語になると思いますが、これは英語の頭文字をとって、「EEZ」とも呼びます。
これは日本ももちろんそうですが、海を持っている沿岸の国の天然資源などの経済的なことに対して、
主権的な行為をとることができる、つまり、自分の国の支配下に置くことができる海域のことをいいます。
もう少し具体的に言うと、海の中の水産資源ですとか、海底の鉱物資源などは、この排他的経済水域を持つ
沿岸国のものであって、他の国が勝手に取ることができないということになっています。
陸から近いところに領海のエリアがあって、さらに遠いところに排他的経済水域のエリアがあるということです。
国土の面積で言えば日本は61位ぐらいですが、海のエリアでは、世界第6位まで上がってきます。
日本の国土の面積が北方領土を入れて、38万平方km。日本の排他的経済水域等の面積になると、その国土の約12倍になってきます。
ちなみに、世界1位はアメリカ。
アメリカは国土面積も広いですが、海の面積もそれに応じて広くなっています。
他に上位の国としてはオーストラリアや、ニュージーランドといった海洋国家。
そして、インドネシアやカナダに続いて日本が6位になってきます。
排他的経済水域はその領域にある資源というものを主導的に開発することができるので、世界で6番目に
そのエリアを有する日本にとっては、いかにその海を有効に活用するか、一方で海をどう守っていくのかということも含めて、海と密接に関わる、海と身近な国であるということは言えると思います。
🌊文部科学省 「一家に1枚 海~その多様な世界 」
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/mext_00063.html
🌊文部科学省 「一家に1枚」 ポスターがダウンロードできます。
https://www.mext.go.jp/stw/series.html
🌊JAMSTEC 特設サイト 「一家に1枚 海~その多様な世界 」
https://www.jamstec.go.jp/j/pr/poster-ocean/
🌊JAMSTEC 海洋研究開発機構 https://www.jamstec.go.jp/j/
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