国立科学博物館 動物研究部 脊髄動物研究グループ 田島木綿子さんのインタビュー⑦「ホエールポンプとは」
今週も、これまで2000体以上、海岸にストランディングしたクジラやイルカを解剖してきた、
国立科学博物館 動物研究部 脊髄動物研究部 田島木綿子さんのインタビューをお届けしています。
![](https://kanagawa-mamorou.uminohi.jp/wp-content/uploads/2022/09/@Eiji-Hata_田島木綿子様-683x1024.jpg)
地球上で一番大きいと言われるクジラを研究している田島先生。
気候変動や海の酸性化など、地球環境の変化が叫ばれる中、
最近、先生が、研究するうえでキーワードの一つとなっているのが「ホエールポンプ」なんだそうです。
一体どういう現象なのか、伺いました。
![](https://kanagawa-mamorou.uminohi.jp/wp-content/uploads/2022/09/Ⓒ国立科学博物館_秋田県1996、オウギハクジラの胃から出た海ごみ-1024x768.jpg)
![](https://kanagawa-mamorou.uminohi.jp/wp-content/uploads/2022/09/画像提供:国立科学博物館 画:渡辺芳美」_マッコウクジラP-macrocephalus300-1024x425.jpg)
湧昇流とは、季節風、貿易風などの風、地形変化、潮流等が要因で、
海洋深層水が表層近くへ湧き上る現象のことです。
栄養塩の豊富な深層水が光の届くところに運ばれるため、
食物連鎖の源となる植物プランクトンが大量に繁殖することで、豊かな漁場をつくるもの。
それが、今、弱まっているとも言われていますが、クジラなどの大きな海洋生物が餌を捕るために、
深海から海の上まで移動したり、春先にオキアミが大量に増える北極や南極に移動していく事で、
その湧昇流を作っていると・・・。
今から6年も前2014年には、気候変動の解決法として、
クジラの生息数を商業捕鯨が始まる以前の水準に回復させれば、
温室効果ガスと地球温暖化の抑制につながる可能性があると、海洋生物学者たちが発表しています。
過去の平均に比べて絶滅の速度が1,000倍以上に上昇しているとされている今。
実は、それを守る事が、なによりの気候変動対策なのかもしれませんね。
🌊国立科学博物館
https://www.kahaku.go.jp/index.php
🌊国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ 田島 木綿子先生
https://www.kahaku.go.jp/research/researcher/researcher.php?d=yuko-t
🌊田島先生の著書「海獣学者、クジラを解剖する」
https://www.yamakei.co.jp/products/2820062950.html
🌊サンゲツ×国立科学博物館 コラボレーション
壁紙コレクション「DAY AND NIGHT SCIENCE MUSEUM」の「WHALES AND DOLPHINS」について
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