ごみゼロFESTIVAL @ 川崎市大山街道 ふるさと館(川崎市高津区)/2025年2月2日(日)

2025年2月2日日曜日、川崎市高津区にある「川崎市大山街道 ふるさと館」で開催された「ごみゼロFESTIVAL」に行ってきました!
こちらは、行政×市民参加型の「まちの企画室 第4期」のプロジェクト。提案者は、高津区に住む金田優さん。現在、世界中の問題となっている海洋プラスチックごみ問題をこどもたちに残せないという想いを原動力に、まずはごみ拾いイベントを提案。より多くの方にこの問題を知ってもらうためにはどうしたらよいのか。「まちの企画室」でのアドバイスもあり、誰もが楽しめるイベントとして環境問題に触れられる場づくりとして今回の「ごみゼロFESTIVAL」を開催することとなりました。
イベント当日は、早朝から冷たい雨。
イベントは、「スホGOMI in TAKATSU~スポーツで、街をキレイにする~」からスタート! 「一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ」の協力のもと、ごみ拾いを競技化した日本発祥スポーツ「スポGOMI」が高津区で初開催されました。

「スポGOMI」とは3~5人のチームを組み、決められたエリア内でごみ拾いをし、回収したごみの量、質で勝敗が決まります。合図とともに、トングとごみ袋を片手に街に飛び出し、ごみが多く落ちている場所を探しながら指定された範囲内で合計37名の参加者が次々とごみを拾っていきます。約40分後、小雨が降る中、多くのごみを片手に参加者たちから戻ってきました。


優勝は、2位に大きく差をつけ951ポイントを獲得した「プリッチェ献血部」! そして、全10チームが集めたごみの総量はなんと29.52kg。「川崎市高津区役所地域振興課」の山岸さんは、「雨が降り、ぎりぎりまで開催を悩みました。ボランティアの方々の協力もあり盛り上がってよかったです」とのこと。「一般社団法人 ソーシャルスポーツイニシアチブ」エグゼクティブ・プロデューサーの名古屋さんは、「雨の日で、これだけ拾う事が出来たので、晴れた日にはもっと多くのごみを拾える街かもしれません。」と。全国の高校生が熱い戦いを繰り広げる「スポGOMI甲子園」や、ワールドカップが開催されるだけに、高津区での次回開催にも期待が高まります!

そして「ごみゼロFESTIVAL」のメイン会場「川崎市大山街道 ふるさと館」では、海洋生物のことや、海洋プラスチックごみについて学ぶことができる展示や講座がたくさん用意されていました。

実際のクジラやイルカの骨や歯の展示に、講演会を担当していた「一般社団法人 ICERC Japan」


ウミガメが間違って飲み込んでしまった胃から出てきた物の展示や、ウミガメのグッズの販売をしていた小笠原諸島を拠点に活動する「認定NPO法人エバーラスティング・ネイチャー」。


「紙しばいや もっちぃ紙芝居」による 「~ごみ捨てのマナーや海上ごみについて学ぼう!~」。川のごみ問題をテーマにしたバルーン紙芝居「ももたろう」や、海洋プラスチック問題をテーマにした「クリスタル・ブルー」など、貴重な紙芝居が行われました。
川崎唯一の砂浜、東公園の人工海浜(かわさきの浜)で拾ったごみを的にした「スナイプバレー合同会社」による「輪投げゲーム」。

ワークショップとして、海洋プラスチックをアップサイクルして、ビーズストラップを作る「オーシャンスパークルズ」は、石垣島で回収された海洋プラスチックから繊維を作っている「一般社団法人 オーシャン太郎」代表理事の中村さんと、樹脂射出成型を手掛ける「ロッキー化成」代表取締役 鎌田さんが丁寧に解説してくれました。

海洋プラスチックごみは、長い時間をかけて海を漂うため、紫外線で劣化し、プラスチックの表面に様々なごみや砂がついて汚れているものが大半。それを回収・洗浄し、細かいチップに粉砕して、機械に入れることで1cmほどのビーズへ形を変えていきます。



さらに、ストラップを作使用されるナイロンの糸も、海洋プラスチックごみから作られたもの。この一連の作業をすることで、海洋プラスチックごみの回収、プラスチック製品への加工の難しさを学び、海に出る前に回収することの大切さを知ることができました。

さらに会場では、多摩川河川敷でリバークリーン活動も定期的にしているプロカメラマン 国府田利光さんの作品展も!

河川敷で拾った永久に自然界で分解されないプラスチックごみと植物の花とを組み合わせた美しい作品から、河川敷に埋まっていたごみに根を張る植物を撮影した作品集「SOIL」など、どれも見ごたえのある作品でした。


また、「ごみゼロ」という事で、会場にはごみステーションが設置され、ごみの分別によって資源となる過程やアイデアが紹介されていました。


さらに、会場で提供された豚汁では、川崎市で初となるリユース容器シェアリングサービス「Megloo」を使用!

そして、「ごみゼロFESTIVAL」のフィナーレは、映画「マイクロプラスチックストーリー ~ぼくらが作る2050年~」上映会。ニューヨーク、ブルックリンの小学5年生たちが、世界的に大きなプラスチック汚染問題を学び、彼らの視点でこの問題の根幹が何かを問いただし、解決に向かって自分たちのコミュニティーからアクションを広げて行くまでの2年間を追った長編ドキュメンタリー。この作品の監督、環境活動家でドキュメンタリー映像作家の佐竹敦子さんからのビデオレターや、アンバサダーでもある小学5年生の敬大くんによるスピーチも行われました。
海から約17キロと離れた川崎市高津区。ここで「ごみゼロ」を考えるだけでなく、私たちの生活からでるごみと海洋プラスチック、海洋生物との関係について知ることができるイベントが開催されたことは、とても大きな意味があったのではないでしょうか。

今回、「ごみゼロFASTIVAL」を企画した金田さんは、6年ほど前に、当時幼稚園生だったお子さんと多摩川の河川清掃に参加し、自分たちの街からごみが川へ、海へと流れていく事を知り、実際に江の島でのビーチクリーンをすることで、私たちの生活と海ごみが密接な関係であることを目の当たりにします。
そこで、海と街の関係をもっと多くの人に知って欲しいとご自身が住む川崎市高津区で、今回の「ごみゼロFESTIVAL」を提案。半年間の準備期間中には、地域の小学校での海洋ごみに関する講座や海洋プラスチックごみを使ったアクセサリーワークショップを開始し、海ごみについての啓蒙活動を実施。実際に様々な人と話をすることで、海やごみに関心のない人にこそ知って欲しいと、多くの方が訪れてもらえる楽しいイベントと企画は膨らみ、今回の開催となりました。会場でご紹介されていた団体は、どれも金田さんが全国各地で出会った人たちばかり。ご自身の目で見て体験して納得しただけに、訪れた人たちにとって深い学びに繋がったのではないでしょうか?
そして、優さんと共に自分たちの住む足元からの環境に興味を持つきっかけとなったのは、息子の敬大くんの影響も大きいとお話されていました。幼少のころから環境問題に関心が高く、共にリパークリーン、ビーチクリーンをし、犬の散歩でも自然とごみ拾いをしているそうです。また、現在通う小学校で、環境委員を立ち上げ、同級生たちへのごみやプラスチック問題について知ってもらう場づくりや、学校内でできることにも積極的にかかわり、将来は納豆菌の研究をしたいとお話されていました。現在、小学5年生の敬大さんにお話を聞きながらも、次にこんなチャンスがあったら、こんな展示をしてみたいと、キラキラした目をお話をしてくれたのが、とても印象的でした。
ぜひ、第二回の開催にも期待したいと思います! 金田優さん、敬大さん、ありがとうございました!